日本の手技療法「あん摩と指圧」そしてマッサージ

私は学校に入学するまであん摩と指圧,マッサージの区別が全く出来ませんでした。
学校に落ちたらカイロプラクティックの専門学校に行こうと思っていました。
入学してみるとかなり分かれていることに気が付きました。

専門家以外の人がマッサージといったら揉んだり押したりするイメージです。
昭和の頃は座頭市といった映画を思い出す人がいらっしゃいました。
温泉や大きなサウナでマッサージなど。
平成に入り大きくイメージを変えたのはクイックマッサージです。
都会では席巻したといっていいほどです。
リラクゼーションという言葉が生まれて慰安からリラクセーションと呼び方も変わってきました。
リラクゼーション,または慰安は無資格でもOKみたいな印象操作がかなり進んでしまいました。今でも国家資格はいるのです。

マッサージできますか?と飛び込みの方が時折いらっしゃいます。
こういう時のマッサージは厳密にいうとあん摩であることがほとんどです。
私の按摩とマッサージのイメージは違っていて,指を多用するのが按摩で手のひらを多用するのがマッサージです。
長年やっていると使いやすいように,相手に最適化されてはいくのですが。

私は小学生の頃から母親と揉んだり揉まれたりしていました。
高校時代に少林寺拳法の道場で学び始めると最後は整体の時間が設けられていました。
ストレッチや関節を動かす運動療法でした。
コレには俄然興味が湧きました。
創立した館長が中国大陸で戦時中活動していた時に拳法の先生から学んだものと書かれていました。ご自身の体調不良がかなり改善したようです。
上京して20代の前半にアルバイト先でマッサージ学校に通われている先輩がいて明日はテストなのでマッサージの練習台にしてやるといわれ顔のマッサージをしてもらいました。
気持ちが良くて終わると真っ直ぐに歩けませんでした。
初めて手のマジックに触れた瞬間でした。
日本の手技療法は法律で認められているものには柔道整復師(接骨院や整骨院)の捻挫や打撲、骨折、脱臼などのケガを治療
リハビリでは理学療法士があります。

マッサージは1880年代にフランスから導入されたものとされています。
当時の本で確認してみると東洋按摩と西洋按摩という記述があり区別されていたことが分かります。
5年ほど前に母校の副校長先生(彼のおじさんは1918年にマッサージ学校を設立した)に按摩とマッサージの違いを聞いたことがあります。
戦前は按摩は内蔵を不調を整えてマッサージは整形外科的な調整をしていたと話してくれたとのことでした。
按摩とマッサージの資格も別々のものだったそうです。