按摩指圧マッサージ(手技)は学校で学びましたが,学校の手技はどちらかというと国家資格(当時は地方自治体の免許)のための手技という感じでした。
入学して一ヶ月もしないうちに3年間(按摩指圧マッサージの資格は当時は2年間)で習得は無理だなと思いました。
考えてみたら当たり前で週2~3度,週に4~6時間程度で技術が身につくわけがありません。
ここでいう身につくとは考えなくても体が動いてくれるという意味です。
当時は整骨院でのお手伝いというバイトもあり,ここで入学前に仕事を見つけました。
毎日8時間お手伝いさせていただきました。ここでは主に掃除や低周波などの医療器具を体に設定したりマッサージの真似事をさせていただきました。
相当不安でした。友達と勉強会を開いたりしました。
本も出来るだけ読んで潜在意識に叩き込みました。
ただ理屈は覚えるのですが,人の体の在り方がぜんぜん違うんじゃないかと薄っすらと気がついていきました。
押す力も人によって全然違っていて痛いと言われたり強すぎると言われたりなどです。
手を置くだけで良くなる人もいたりガンガンえぐってやっと楽になると言われたり人の体は多様過ぎます。
この違いをどのように覚えるのですかと最初の頃に先生に聞いてみたことがあります。
「全部覚えるんだよ」と言われて一瞬気が遠くなりました。どんだけ時間がかかるのかと。
そのうち毎日できるだけ人に触る環境にいると,上手くいくタイプと失敗するタイプ,変化しないタイプなど観察しているとパターンが出てきます。
自分の技術が劣っていると思い込んでいた時期もありますが,もちろんその場合は往々にしてあります,このパターンが分かれば相手の体が変化し始めてくれます。
トライ・アンド・エラーをずっと繰り返して修正していくことが重要なのだと思います。
按摩十年とはよく言われていましたが,いろいろなパターンが読めるようになるにはそれだけの時間がかかるという意味にいまでは捉えています。